真作保証
◆作者：三條實萬/三條實美◆作品：和歌短冊七言絶句小色紙合装幅◆材質：料紙墨書/絹本墨書(真筆作品)◆款記：「實萬」/「實美謹書」◆内容：「神祗 阿ふけ猶み可さ能山の露か介て/萌乃末葉能免くミ越そ志る」(神祗 あふけ猶みかさの山の露かけて萌の末葉のめぐみをぞしる)「去年今夜侍清涼/秋思詩篇獨斷腸/恩賜御衣今在此/捧持毎日拝餘香」(※出典 菅原道真「九月十日」)◆寸法：本紙36.1×6.0cm 15.1×12.6cm 総丈180.3×32.8cm◆付属品：頼潔識箱〈甲書「三條父子遺墨合装」、蓋裏「實萬公國風曾可哉菴大人所賜實美公遺墨公/曾在宰府偶書菅公詩以與侍者時丙寅［慶應2年（1866)］四月八日也/有故歸余有今茲丁未［明治40年（1907)］五月合装告成 頼潔識」※箱身一部破損〉・墨書小札〈「可哉庵ハ岩倉の祖父也/惟恭ともいへり」※頼潔(1860−1929)の筆跡と思われるが不詳、「岩倉」は山城国愛宕郡岩倉村か、頼潔は柏村氏［※箱小口に「柏村」の貼紙あり］から頼支峰の養嗣に入っているが生家に関するものか〉◆状態：ややシミ汚れ箇所あり。折れ皺箇所あり。
【三條實萬(さんじょう・さねつむ)】享和2年〜安政6年(1802−59)清華家である三條家当主・三條公修(1774−1840)の二男として京都に生まれる。母は関白・一條輝良の娘・和子。文化11年(1814)従三位に叙され公卿に列する。嘉永元年(1858)武家伝奏となり江戸幕府との折衝にあたる。安政4年(1857)内大臣に任じられる。安政5年、日米修好通商条約調印の勅許を求める幕府に対し、孝明天皇がこれを拒否。幕府との協調派であった関白・九條尚忠によって、孝明天皇を支持していた左大臣・近衞忠熈とともに参内停止を命じられた。安政6年、安政の大獄で謹慎処分となり出家して澹空と号した。同年、従一位に叙されるが病を得て薨去。文久2年(1862)右大臣を追贈され、明治2年(1869)明治天皇より「忠成公」の諡を賜った。
【三條實美(さんじょう・さねとみ)】天保8年〜明治24年(1837−91)清華家である三條家当主・三條實萬(1802−59)の三男として京都に生まれる。母は土佐藩第10代藩主・山内豊策の娘・紀子。尊王攘夷派の公家として幕府に攘夷決行を要求、文久2年(1862)国事御用掛に任じられる。翌年、公武合体派の公家と薩摩藩・会津藩が連動して過激な尊攘派を京都から追放した八月十八日の政変で長州に逃れる(七卿落ち)。慶應3年(1867)の王政復古で政治の中心に復帰、新政府で議定となる。右大臣・太政大臣(最後の太政大臣)と進み、太政官制の廃止にともない明治18年(1885)初代内大臣に転じ、内閣制度の導入により政治の実権からは離れ、明治天皇の側近として輔弼にあたった。公爵。雅号・梨堂。
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