本時計はセイコーの名機19セイコーの精度を上げて出荷された15石セコンド・セッティング24型標準時計です。「19セイコー」は、昭和4年から昭和46年まで、セイコー（当時は精工舎）で製造されていた懐中時計の総称です。日本の鉄道時計の歴史において重要な存在です。「19」は当時の舶来懐中時計のムーブメントサイズから命名されたもので、19セイコーもそのサイズを元に作られています。24型というのは19セイコーの機械（ムーブメント）を大きな縁のある枠に収めて外形を24型にしたものです。
標準時計というのは、時刻の標準となる精度の高い時計のことを指します。正確な時刻を提供するために使用されます。昭和30年代以降、街の時計屋さんが修理やオーバーホールの際に精度を参照する「標準時計」として活躍したのが24型セイコーです。そして販売の後期にはムーブメントCal.9119Aが搭載されていました。
鉄道時計として名高い19セイコーと基本的に同じ15石の機械ですが、出荷時点ではより調整された状態で「スタンド型にできる木箱」に入って出荷されていました。懐中時計として携帯するのではなく、置き時計として利用することを前提とした時計です。
型番：9119-0030シリアル番号：14****ケース径：60mmケース厚：15mmケース素材：ACRP（真鍮オールクロムメッキ）重量：約165gケースカラー：シルバー文字盤カラー：ホワイトムーブメント：手巻き15石（Cal.9119A）付属品:専用木箱
状態につきましては、シリアル番号より、1971年製造と推定します。風防は擦れキズがあります。ケースは小キズ、メッキ剥がれが見られます。動作について稼働しています。スマホアプリの簡易的な測定では日差+6秒で、ヴィンテージ品にしては良好だと思います。セコンドセッティングは、秒単位の精度を求める場合に重要な機能となります。セコンドセッティングとは、時計の機能の一つで、時刻合わせをする際に秒針を正確に0秒に合わせることができる機能です。具体的には、リューズを引き上げると秒針が12時の位置まで移動し、そこで止まります。その後、時刻を合わせてリューズを戻すと、秒針が動き始めます。この機能は、正確な時刻設定を行う際に便利です。この機能も問題ないことを確認しました。あと裏蓋はねじ込み式なので表と裏を反対方向にひねると裏蓋を開けることができます。前の所有者は収納木箱を懸架スタンドとしては使っていないようで、ボウ（チェーンや紐をかける環状部品）に輪っかをつけていました。そのため蓋の内側のクッションに押し跡があります。
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